気がつくといつの間にか使いづらくなっているキッチン。タイルの目地に生えた黒カビが目立ち、脱衣場の寒い風呂場。古びて快適性が感じられないトイレ。年輪を感じさせるというよりも、疲れの目立つ外壁。
建てた時は誇らしかった住宅も、長年住み続けているといろいろと不具合が出てくるものです。
このような不具合はそのままにしておいても生活に支障のない範囲の状態から、なんとかしないと生活に支障の出るような状態のものまで、症状は様々です。
また、家族の中に障害を持ってしまった人が出たりすると、バリアフリーにしなくてはいけないケースも出てきます。
しかし、「建物自体はしっかりしているからまだまだ建て替える気にはなれない」、あるいは「先祖から代々受け継いできた建物だから、柱や梁などの基本的な部分は残したい」などという事情があると、なかなか建て替える気にはなれません。
こんな時にはリフォームをすることが、大きな解決手段になります。しかし、リフォームを考えた時に、費用はどの程度かかるのか、どんな業者に依頼をするべきなのか、などという知識がないことに気づきます。
そこで、このサイトでは、このようなリフォームに関する様々な予備知識など、役立つ情報を提供していきます。
リフォームの施工費用の相場
リフォームの対象になる部分ですが、大きく別けると屋内と屋外になります。さらに、屋内を別けると水回りと部屋、玄関や階段、そして廊下になります。
屋外は建物全体の外壁・屋根・ベランダ・バルコニー、そして外構といわれる門・ガレージ・塀・柵・垣根・アプローチ・土間などに別けられます。
戸建ての場合は屋内・屋外の両方、マンションやアパートの場合は主に屋内がリフォームの対象になります。
また、リフォームの規模も様々で、建物の基礎的な部分だけを残して他は全部作り替えるような大規模な方法から、壁紙や畳を替えるといった小規模なやり方まで、リフォームの手段は幅広くあります。
では、屋内・屋外の代表的なリフォームと、施工料金の相場を見ていきます。
代表的な屋内リフォーム対象
屋内の代表的なリフォーム対象は下記のとおりになります。
- キッチン
- 浴室
- トイレ
- 洗面所
- リビング
- ダイニング
- 洋室
- 和室
- 玄関
- 廊下
- 階段
このように、居住空間の全てがリフォームの対象になります。では、項目別にリフォームの中心価格を見ていきます。
キッチン
キッチンのリフォームは、今あるシステムキッチンを残してガスコンロを電化にする方法だと10万円前後。システムキッチンを交換する場合は50万円前後ですが、サイズや位置を変えると単価が上がります。
さらに、新たにシステムキッチンを入れようと思うと、100万円を超える料金がかかるケースも出てきます。
キッチンのリフォームにかかる施工料金で、一番多い価格帯としては30万円から100万円まででます。次に多い価格帯としては、150万円以上となっています。
浴室
従来工法の風呂をユニットバスに入れ替えようとすると150万円前後になりますが、現状使っているユニットバスを入れ替えるとグレードにもよりますが、100万円前後です。
また、浴槽と給湯器の入れ替えだけだと、やはりグレード次第ですが40万円から50万円前後という費用がかかります。
浴室のリフォームにかかる施工料金で、一番多い価格帯としては50万円から100万円前後です。次に多い価格帯としては、100万円以上となっています。
トイレ
今ある便器を活かして洗浄機付きの便座にすると10万円前後ですが、便器の取り換えや床や壁紙の張替などをすると、グレードによって20万円から50万円前後の費用がかかります。
また、和式便器を洋式便器にするケースになると、グレードによって30万円から80万円前後の費用がかかります。
トイレのリフォームにかかる施工料金で、一番多い価格帯としては20万円から60万円前後です。次に多い価格帯としては、20万円代となっています。
洗面所
洗面台の横幅サイズを変えないで交換する場合は10万円前後ですが、サイズを変えると床や壁の工事が必要になるので30万円前後かかります。
さらに、自由にカスタマイズできるシステムタイプに入れ替える場合、最低でも40万円前後の費用がかかります。
洗面所のリフォームにかかる施工料金で、一番多い価格帯としては20万円代です。次に多い価格帯としては、20万円から40万円前後となっています。
リビング
天井・壁のクロス張替えは10万円前後。床をフローリングに張り替えるケースだと、面積やグレードにもよりますが20万円前後の費用がかかります。また、床暖房を入れる場合は比較的安価なシステムだと40万円代からできます。
リビングのリフォームにかかる施工料金で、一番多い価格帯としては100万円から300万円前後です。次に多いか価格帯としては、40万円から100万円となっています。
ダイニング
床をフローリング、壁をタイルに張り替えるなどが多い手法で、面積や材料のグレードにもよりますが30万円前後です。また、キッチンとの境目にカウンターを付けると、50万円前後の費用がかかります。
ダイニングのリフォームにかかる施工料金で、一番多い価格帯としては50万円代です。次に多い価格多としては、50万円から300万円となっています。
洋室
二重サッシの窓は7万円前後、天井や床、壁を天然素材にすると、材料や面積にもよりますが30万円から50万円前後の費用がかかります。
畳みスペースを作ったり、小上がりを作る場合は50万円前後でできるケースもあります。
洋室のリフォームにかかる施工料金で、一番多い価格帯としては50万円から100万円です。次に多い価格帯としては、20万円から50万円となっています。
和室
6畳間の畳替えだと、グレードによって6万円から15万円前後でできます。壁紙や天井に貼ったものを新しくすると、10万円前後になります。
和室のリフォームにかかる施工料金で、一番多い価格帯としては20万円から100万円です。
次に多い価格帯としては、10万円代となっています。
玄関
ドアの交換はグレードによって20万前後から50万円ぐらいになります。収納スペースを増設すると、20万円前後の費用になります。
玄関のリフォームにかかる施工料金で、一番多い価格帯としては20万円から50万円前後です。次に多い価格帯としては、20万円代となっています。
廊下
面積や材料にもよりますが、クロスと床の張替は10万円代から可能です。この時一緒に壁面収納スペースを作ると、配線工事込で50万円以上が必要です。
他に、手摺を付けると1mにつき3万円前後の費用がかかります。
廊下のリフォームにかかる施工料金で、一番多い価格帯としては20万円から50万円前後です。次に多い価格帯としては、10万円から20万円前後となっています。
階段
勾配を変えるなどの大掛かりな工事は100万円以上、踏み板と壁のクロスを替える場合は40万円前後、手摺を付けると10万円前後の費用になります。
階段のリフォームにかかる施工料金で、一番多い価格帯としては20万円から50万円前後です。次に多い価格帯としては、10万円から20万円前後となっています。
代表的な屋外リフォーム対象
屋外の代表的なリフォーム対象は下記のとおりになります。
- 外壁の修復と塗装
- 屋根の修復と塗装
- ベランダとバルコニー
- 外構
- 庭とガーデニング
では、項目別に屋外リフォームの中心価格を見ていきます。
外壁の修復と塗装
30~40坪程度の床面積の2階建てで、窓枠やつなぎ目の防水コーキング処理をすると、30万円前後です。外壁塗装は使う塗料や工法にもよりますが、100万円前後になります。
外壁の修復と塗装などのリフォームにかかる施工料金で、一番多い価格帯としては80万円から120万円前後です。次に多い価格帯としては、120万円以上となっています。
屋根の修復と塗装
補修・修復と塗装はセットで考えておくべきで、50万円程度の費用がかかります。重ねぶきやふき替えになると、100万円から200万円程度の費用になります。
屋根の修復と塗装などのリフォームにかかる施工料金で、一番多い価格帯としては50万円前後です。次に多い価格帯としては、120万円以上となっています。
ベランダとバルコニー
ベランダの床張替えや屋根の取付けは20万円前後、新しくベランダを付けるとやはり20万円前後になります。また、サンルームを増設すると40万円以上になります。
ベランダとバルコニーのリフォームにかかる施工料金で、一番多い価格帯としては20万円から100万円前後です。次に多い価格帯としては、20万円代となっています。
外構
外周をフェンスなどで囲むと50万円前後、門扉の交換やカーポートを作ると10万円代から、距離にもよりますが門から玄関までのアプローチ全体を治すと100万円程度はかかります。
外構のリフォームにかかる施工料金で、一番多い価格帯としては50万円代です。次に多い価格帯としては、100万円から200万円前後となっています。
庭とガーデニング
サンルームの増設は100万円前後、ウッドデッキを付けると30万円以上、芝の貼り付けは1平方メートル当たり1万円程度かかります。
庭とガーデニングのリフォームにかかる施工料金で、一番多い価格帯としては50万円代です。次に多い価格帯としては、100万円以上となっています。
他にも究極のリフォームとして「リノベーション・スケルトンリフォーム」あって、もともとの柱や構造をどの程度利用するか、耐震補強はどうするのかなどで費用は変わりますが、1000万円以上という費用が必要です。
リフォームの費用を抑える方法
リフォームの費用は決して安いとはいえません。その為、内容を妥協しがちです。
しかし、リフォームの内容を妥協してしまうと、目的を達成できない可能性が高くなる為妥協しないで費用を抑えることが必要です。
リフォームの内容を妥協せずに費用を抑える方法は、大きな括りでいうと4つあり、下記のとおりです。
- リフォーム用の建材や商品を利用する
- 廃材が出難い工法を選ぶ
- 今あるものをできるだけ再利用する
- 機能製品やオプションは計画的に取り入れる
では、項目別に内容を見ていきます。
リフォーム用の建材や製品を利用する
施工業者と相談をして、リフォーム用として製造された製品を使うと、取り付けが簡単なので、工事の手間や工期を押さえることが出来ますから、製品自体は割高ですが結果的に全体のコストを下げることが出来ます。
廃材が出難い工法を選ぶ
工事で出た廃材は、産業破棄物として処理することになりますから、高額な費用がかかります。
しかし、なるべく廃棄物の出ないような工法を、施工業者と相談して選ぶとコストを下げることが出来ます。
今あるものをできるだけ再利用する
なんでも新品にするのではなく、部分的にハウスクリーニングなどを利用して、新品同様にすることなどで目的を達成できる箇所もあります。予算と交換するものの優先順位を図ってコストを下げましょう。
機能製品やオプションは計画的に取り入れる
キッチンのビルトインオーブンや食器洗浄機など、後から取り付けるよりも工事の時に付けてしまった方が、取り付け費用などを削減できるものは結構あります。
今後の生活などを考えたうえで、どのような機能製品やオプションを採り入れるのか考えて、コストダウンを図ることが出来ます。
優良なリフォーム業者を探すコツ
リフォームには高額な費用がかかりますから、業者選びを慎重にする必要があります。最低でも支払った費用分は、しっかりとした結果を出してくれることが、業者に求められる条件です。
優良なリフォーム業者を探すコツは大きな括りでいうと6つで、下記のとおりです。
- 豊富な施工実績があること
- しっかりした打ち合わせができること
- 見積もりが明確であること
- 近隣に配慮した工事をしてくれること
- アフターメンテナンスがしっかりしていること
- フットワークが軽いこと
では、項目別に内容を見ていきます。
豊富な施工実績があること
豊富な施工実績は、イコール信頼と高い技術力を表しています。信頼もなく、技術力も無ければ、施工依頼が来ないからです。
しっかりした打ち合わせができること
依頼者側からの要望に対して的確なアドバイスを出してくれたり、疑問点にきちんと答えられるなどの対応がないと、あまり芳しい業者だとはいえません。
また、何度でもプランを出してくれて、なにかをプラスした提案をしてくれるようでなければ、良い業者だとはいえない面があります。
近隣に配慮した工事をしてくれること
工事中は埃や音、臭いなどの発生がありますから、こういったことに対策をした工事をしてくれるなど、近隣に配慮した工事をしてくれることが必要です。
そうしないと工事が原因で、後日ご近所トラブルになってしまう可能性があります。
アフターメンテナンスがしっかりしていること
工事完了後でも、使っているうちに不具合が出ることがあります。そんな時でも、きちんと対応してくれるかどうか、確認をしておく必要があります。
フットワークが軽いこと
アフターメンテナンスを依頼したような場合でも、レスポンスが良くないと困ることがありますから、フットワークは大切です。
何かあった時にすぐに来てくれないと生活面で支障が出ることもありますから、フットワーク面を確認しておく必要があります。
リフォームに関する補助金や税制優遇について
住宅をリフォームした場合、補助金が出るケースもあります。
耐震・バリアフリー・省エネ・浄化槽などの環境対策・アスベスト対策などの防災対策のリフォームをすると、補助金が出ます。また、省エネとバリアフリーのリフォームには優遇税制制度があります。
いずれも住民登録がされていることと、きちんと納税されていることが条件です。
補助金の金額や優遇税制ですが、自治体によって違いがあり、個人で理解することは難しいので、リフォーム会社の担当者などと相談しながら知識を付けてから申請した方が良いでしょう。