住まいのリフォームを検討し始めてから、工事を終えるまでやらなければいけないこと、決めなければいけないことがたくさんあります。
工事業者が段取りを教えてくれる場合もありますが、スムーズに家づくりを進めていくためにも、自分自身である程度の流れを理解しておきましょう。
リフォーム工事をする際の全体の流れ
リフォームといっても、キッチンやトイレ、お風呂などの設備機器を入れ替えるだけなのか、壁紙や床をキレイにするのか、間取り変更を伴う大掛かりなリフォームを行うのかによって準備の工程は異なりますが、大まかな流れは工事の大小にかかわらず変わりありません。
準備から完成までの全体の流れを知っておくと、いざという時に役立つでしょう。
リフォームを考え始めたら
まず、最初にリフォームをしようと考えるきっかけになったことは何でしょうか。経年劣化で古くなってきたから、家族の暮らし方が変わってきたため不便に思うことができたから、日々の家事で不満に思っていることを解消したいから、さまざまな理由でリフォームを検討し始めることでしょう。
まずはリフォームをしてどういう暮らし方、家事の仕方を行いたいかを明確にしましょう。ノートに書き出してもいいかもしれません。家族とよく話し合い、予算とともに目指す方向性をある程度まとめておくと、見積もりを依頼するときにもスムーズに伝わるはずです。
ではここから、時系列にそって流れを見ていきます。
- 予算を明確にする
- 雑誌やインターネットで調査する
- 業者に見積りを依頼
- 業者を決定する
- 打ち合わせを重ねる
- 工事工程を確認する
- 契約
- 工事着工
- リフォーム完成
- 支払いとその後
予算を明確にする
リフォームをするには工事の内容や規模によって、費用のかかり方が違います。どこまで予算をかけてどれだけのことができるかを知ることは、見積りをとってみないとわからないと思いますが、いくらまでなら費用をかけられるかを予算と相談をして、明確にしておくことはとても重要なことです。
雑誌やインターネットで自分なりに調べてみる
住宅系の雑誌はインテリアから始まり、リフォームの概要について書かれているものが幅広く出版されています。インターネットでもたくさんの情報が簡単に手に入る時代です。
まったくリフォームの知識がない状態で、すべてを業者に委ねてしまうと、あとでこういうのが良かったなどと、後悔することも少なくなりますので、自分なりに設備のメーカーや、インテリアのテイストなど事前に勉強をしてみましょう。
業者に見積りを依頼する
自分たちのリフォームの夢を叶えてくれそうな業者を何社かピックアップしましょう。値段が安ければいいというものでもありませんので、知識と経験が豊富な会社や、保証やメンテナンスがしっかりしていそうな会社を3社ほど選び、見積りをしてもらいます。
見積りの際には現地調査といって、現状を確認し採寸などをする必要があります。その際、各社別々の時間にアポを取り、少々手間ではありますが、それぞれ同じ条件を伝えることが大切です。それぞれの業者を現地調査の時から観察をしてみましょう。
- こちらの要望をしっかりと聞き取ってくれるか
- 部屋の大きさや窓まわり、建具や家具などの採寸もしているか
- キッチンや洗面所の場合、設備機器の大きさだけでなく持ち物を把握しているか
- 所有してあるものすべてが収納できるようなプランニングをしてくれるか
- 家族の暮らし方まで考慮したプランニングをしてくれるか
ただ、こちらの要望だけを叶える見積りをするのではなく、プロ目線のアドバイスやアイデアを取り入れたプランや見積りをしてもらえる会社は、工事の際も細部にまで目配り、気配りができると考えられます。
高額な費用をかけ、一生に何度もできるリフォームではありませんから、自分たちが考える以上の工事をしてもらえそうな業者が選べると理想的です。
見積もりを比較する
各社の見積もりが揃ったら、じっくり内容を吟味しましょう。定価設定のある設備機器の値引き率、工程や工事費の比較など一概に比べることは難しくても、高い業者はなにが高くついているか、安い業者は何かが抜けていないかなどわかるはずです。
見積もりの書き方にも注意が必要です。工事一式○○円といったふうに何でも一式表記をしている場合は内容がわかりにくいので要注意です。単価や個数など有るはずのものでも「一式」と表記されていれば、ざっくりとした工事をするような会社かもしれません。
わかりにくい見積もりの場合は細かく聞いてみることが大切です。その際につじつまが合う説明をしてくれれば、それを聞いたうえで比較すると良いでしょう。
業者を決定する
見積もりの比較をし、金額と内容、担当者との相性が良さそうな業者に決定したら選ばれなかった相見積りの業者にも断りの連絡を入れるのがマナーです。業者が決まったら、ここからは本格的に打ち合わせを重ねていきます。
打ち合わせを重ねる
最初の見積もりのあと、業者を確定したらそこから具体的に打ち合わせをしていきます。設備機器の仕様はしっかりとメーカーのショールームで確認し、色柄や仕様の細部まで現物を見ながら確認することが大切です。
担当者には家事の悩みや、家族の不満などもしっかり伝え、それらを解消できるようなプランニングをしてもらいましょう。そのためには見積もりやプランの変更は何度してもかまいません。納得がいくまで変更をし、ショールームやサンプルで確認し、その都度見積もりの金額も確認することが大切です。
失敗や後悔のしないリフォームをするために、打ち合わせには一番時間をかけるべきと言っても過言ではないでしょう。
設備の仕様や床の色、壁紙の色柄など決めなければいけないことはとてもたくさんあります。その工程を面倒くさいと投げ出してしまえばあとで後悔することになり兼ねませんのでここは正念場です。
仕様を決める際、抜けがちなのがコンセントやスイッチの増設や移設です。新築の時も同様ですが、コンセントの位置は特に暮らしてみてここにあったら便利なのに!ということがよくあります。
リフォームの際は今まで生活してきた状況をよく思い出し、掃除機をかけるときのことやAV機器まわりの配線事情などスッキリと出来るように考えましょう。
また照明器具を取り替えなくても、スイッチを交換するだけでセンサー付きのライトにすることができる場合がありますので、玄関やトイレなどセンサーを導入すると帰宅時の暗がりや照明の消し忘れなど解消されます。
工事工程を確認する
仕様がきっちり決まり、見積もりの金額にも納得ができれば工事の工程を確認しましょう。業者によって契約前、契約後と前後することはあるかもしれませんが、工程表を作成してもらい、工期がどれくらいかかるか把握しましょう。
リフォームは住みながら行うことが多いので、なるべく普段の生活を行いながらできる工程を組んでもらい、水周りが使えない時期など明確にしておくことが重要です。
いよいよ契約
プラン内容、見積もり金額、工事工程などすべてにおいて納得ができればいよいよ契約です。金額が大きくなる場合の支払いは契約金、中間金、工事後の残金と別れる場合がありますので、業者と相談の上、費用の準備もしておきましょう。
工事着工準備
契約が終われば、工事の着工ですが工事が始まる直前には近隣へのあいさつを忘れてはいけません。工事中の音や埃、また職人の車やトラックの出入りなど必ずご近所の目についてしまいますので、業者の担当者と一緒にいつからいつまでの工事かなどをご近所に知らせておくとトラブルになることも少なくなります。
工事中にすること
工事中は作業現場につきっきりというわけにはいきませんし、ずっと施主に見られていても職人も作業がしづらい場合がありますので、1日に1,2度作業を確認したり、夕方の作業終了時に工程通り進んでいるか、気になることはないか確認しておきましょう。
少しでもおかしいなと思うことがあれば、なるべく早く担当者か職人に伝えることが大切です。すべての工程が終わってからでは直すことが困難な場合もありますので、思ったことはすぐに伝えるほうが業者にとってもありがたいのです。
リフォーム工事の完成
リフォーム工事が終わったら、見積もり通りに出来ているかを自分の目で確かめましょう。色柄などはもちろんですが、設備の仕様なども選んだもので納まっているか確認が必要です。
設備機器の場合は取り扱いの説明を受けることも忘れずに。一度に聞いても覚えられないかもしれませんが、取扱説明書を見ながら確認しておくと、いざというときあそこに書いてあったと思いだせる場合があります。
使い方だけでなく、お手入れの仕方なども一緒に聞いておくと便利です。最近の電気設備はとても便利になっていますが、その分お手入れにはキツイ洗剤が使えない場合などもありますので、どういった洗剤が使用できるかなども確認しておくことがポイントです。
支払いとその後
工事が問題なく終了すれば、請求書を発行してもらい支払いを済ませます。リフォーム業者とは、じつは工事の後からが長い付き合いになります。
トラブルや不都合が起きた時にすぐに対応してもらえる関係性を築いておくと、緊急の時誰に頼んでいいかわからないという事態を回避できます。
お湯が出ない、水漏れが起こったなど住んでいると緊急の事態に見舞われることが必ず起こります。そんな時アフターメンテナンスを頼める先があるとすぐに対応してもらえるのでとても便利です。
まとめ
リフォーム工事には施主側もしなければならないことがたくさんあります。
全体の流れを理解しているのと、していないのでは物ごとの進み方に大きな違いがあります。リフォームについて知っていると、業者の方も気持ちが引き締まり、より丁寧にかつスムーズに進むよう気を配ることでしょう。
業者とのいい関係性を築くこともリフォームをするにあたって重要なことと言えるかもしれません。