戸建て住宅もマンションも築年数が経つと、いろいろな理由でリフォームを考えるようになります。
そのリフォームには、1日で終わる工事もあれば、1ヶ月以上かかる工事もあり、便器の交換やクロスの貼り替えなどの小さな工事もあれば、部屋を増やしたい・外壁を塗り替えたい・お風呂をユニットバスにしたいなど規模の大きな工事もあります。
ここではそんな色々なリフォームについて、それぞれどんな特徴があるか解説していきます。
なお、リフォーム会社の人気ランキングはこちらの姉妹サイトで詳しく解説しているので、あわせてチェックしておきましょう。
色々あるリフォームの種類
リフォームの種類は工事の種類や規模・場所によって大きく以下の4つに分けられます。それぞれの特徴を分かりやすく解説します。
- 丸ごとリフォーム
- パックリフォーム
- 目的別リフォーム
- 部分リフォーム
丸ごとリフォーム
家一軒丸ごとリフォームする際の費用相場は、工事規模にもよりますが床面積40坪でおおよそ800~1200万円です。「基本工事費用800万円+オプション金額+修繕費用」という計算です。
ここ数年人気のリフォームの1つで、増加している理由は以下の4つが考えられます。
住宅の構造性能が高くなったため
阪神大震災以後の住宅は地盤調査と地盤補強が行われ、高い耐震性能を有しています。築20年の住宅でも建物に必要な構造性能を満たしているため、構造をそのまま使ってリフォームすることが可能になりました。
リフォームの施工技術が高くなったため
狭い敷地の家・道路幅が狭い家・再建築不可の家などの工事が可能になり、リフォームの選択肢が増えました。
建て替えと比較して費用が安くできる
費用が安くできる理由は、大きな解体費用がかからない、構造躯体の費用が安くすむ、それと、建て替えに必要な登記費用(滅失・表示など)がかからないためです。
丸ごとリフォームはエコ
丸ごとリフォームはまだ使えるものは解体しないで使うため、エコの視点からも選ばれています。
パックリフォーム
「水廻り3点パック150万円」
「屋根と外壁 まとめて塗装120万円」
「一軒丸ごとクロス貼り替え50万円」
などがパックリフォームがです。パックリフォームは、水廻りのパック・外回りの足場が必要な工事のパック・家一軒の内装パックなど同じ種類の工事をまとめていることが特徴です。
そのため、工事費用と工事方法にメリットがあります。
工事費用
パックリフォームは、同じ種類の工事をまとめているのでそれぞれの工事を別々に行う場合と比較すると工事費用をおさえることができます。例えば、水廻りパックの場合、水道・電気・設備取付工事を一緒にできるため、その分工事費用が安くすみます。
外壁と屋根の塗装工事を一緒に行うと、足場費用が一回ですみ、その分安くなります。内装工事をまとめて行うと、職人の仕事効率が上がり工事期間が短くなり、その分工事費用が安くなります。また、まとめて工事すると、値引き交渉も応じてもらいやすくなります。
パックリフォームは、別々に工事するよりコストパフォーマンスが良いリフォームです。
工事方法
パックリフォームは、同じ種類の工事を一緒に行うためメリットがあります。
建物の経年劣化年数は、水廻り設備は15~20年、外部の塗装は8~10年、内装のクロスは10~15年と言われています。(使用頻度やメンテナンス状況にもよります)
そのため、同じ水廻りの設備(お風呂・洗面・キッチン・トイレ)、外回りの塗装(外壁・屋根)、室内のクロスは、それぞれほぼ同じ時期に修繕時期をむかえます。
例をあげます。外壁と屋根は、どちらも足場が必要な工事です。一緒に塗り替えを行えば、また、数年後また同じ時期に塗り替え時期をむかえます。
つまり、ずっと屋根と外壁の塗装を一緒にできるということです。経年劣化年数が同じリフォームを同時に行うと、効率的に家の修繕ができ、長持ちする家になります。(経年劣化=年数が経つことで性能が低下すること)
目的別リフォーム
「母が高齢で転倒が心配。バリアフリーにしたい」
「冬寒いからあたたかい家にしたい」
など生活の改善を目的としたリフォームです。目的別リフォームは、相談方法や会社の選び方に注意が必要です。
バリアフリーリフォームの相談方法
バリアフリーリフォームは、「トイレに手摺をつけたい」「玄関にベンチをつけたい」など工事したい内容を話しながら、「高齢の母が杖を使う生活になったので手摺やベンチをつけて、転びにくく、動きやすい家にしたい」とリフォームの理由と目的も話しましょう。
その上で専門家(設計・工事会社など)からアドバイスを受け、相談しながら工事内容を決めましょう。
理由と目的を話しながら相談することで「ここにも手摺があるといいね」「床の段差もなくそう」「トイレの介助ができるようにドアの幅を広げよう」など、より生活の質が向上するリフォームができます。
また、バリアフリーリフォームは補助金・減税・介護保険が受けられる制度があります。予算の相談をする時に利用できるか確認しましょう。
断熱リフォームの相談方法
断熱リフォームは、「冬、寒いからあたたかい家にしたい」と話すだけでなく、「冬の朝、キッチンが寒い」「夜寝る時、窓からの隙間風が寒い」「夏、小屋裏収納がとても暑くなる」など、どの場所がどのように寒いか、暑いか、具体例をだして相談しましょう。
寒い暑いという悩みを解消するには、寒くなる・暑くなる原因をみつけ、その部分をリフォームしなくてはならないからです。また、寒い・暑いという感じ方には個人差があるからです。
具体例で寒さ・暑さを伝えると、家族の状況に適した効率的なリフォームができます。また、専門家(設計・工事会社)もどのような工事をしたら良いか、判断しやすくなります。
また、断熱リフォームは省エネ補助金制度があります。予算の相談をする時に利用できるか確認しましょう。
目的別リフォームの会社の選び方
目的別リフォームは専門家の技術・知識が必要です。また、現在の状況を詳細に調査し、計画を立てなければなりません。
設計部門がある建設会社・住宅会社・リフォーム会社に相談すると良いでしょう。
部分リフォーム
部分リフォームは、トイレ・給湯器などの設備だけを取り替える工事や窓の取り替え・クロスの貼り替えなど建具や内装だけを取り替える工事、子供部屋に物入れを増やす、畳をフローリングに変えるなど一つの部屋だけを工事するリフォームがあります。
これらの部分リフォームは、工事日数が短く、職人の数も少ないのが特徴です。小さな工事のため、工事中の負担が少なく気軽にリフォームできます。
部分リフォームは、生活しながらの工事になるので、工事日は家にいることになります。工事日は事前に工事会社と話し合って決めましょう。
丸ごとリフォームと建て替えの坪単価を比較
リフォーム費用の計算方法は、工事の種類により違います。
リフォーム費用は工事ごと見積もりするのが一般的で、部分リフォーム・目的別リフォーム・パックリフォームは坪単価見積もりにはなりません。坪単価でリフォーム費用が計算できるのは、丸ごとリフォームです。
家一軒まるごとリフォームの坪単価
坪単価の金額は工事会社により違います。おおよそ坪単価20万円からです。坪単価の金額は、工事会社の仕様(床や外壁などの種類)や設備の種類、坪単価外工事の種類で決まります。坪単価の見積もりは以下の二点に注意しましょう。
標準の仕様と設備が家族の要望にあっているか
標準仕様を変更すれば、オプション費用として見積もりが追加されます。予算オーバーとならないように注意が必要です。
坪単価外費用には何があるか
総額見積もりには、坪単価に含まれない工事費用があります。工事費用を坪単価だけで判断せずに坪単価以外の費用も含めて工事費用の総額がいくらになるか確認しましょう。
丸ごとリフォームと建て替えを比較
今ある家を解体して建て替えするか、丸ごとリフォームするのか、判断がむずかしいものです。築年数・間取りの自由度・予算・工事期間を比較してみました。なお、床面積は40坪を想定しています。
丸ごとリフォーム | 建て替え | |
---|---|---|
検討する築年数 | 築20~30年 | 築30年以上 |
間取りの自由度 | 構造や設備配管などの変更ができない場所は間取りに制約があります | すべて解体して新築するため自由な間取りが可能 |
予算 | 800~1200万円 | 1600~3000万円 |
工事期間 | 1~2ヶ月 | 4~6ヶ月 |
リフォームは建て替えと比較すると間取りに自由度がありません。間取りを自由にしたい場合は建て替え、リフォームで満足できる間取りにできるならリフォームで大丈夫です。
予算と工事期間も検討して、建て替えか丸ごとリフォームか判断しましょう。
まとめ
リフォームは、建て替えより費用が安く、工事期間も短く、工事の負担が少ないため、建て替えよりリフォームを選ぶ人が増えています。
しかし、反面色々なリフォームがあるため、目的や望む生活スタイルを把握していないと、希望通りのリフォームにならなかったという残念なこともおきています。
何のためにリフォームをしたいか、どんな風に生活を変えたいのか、家族でよく話し合って最適なリフォーム方法を選びましょう。