外壁のひび割れの原因は?補修せず放置したらどうなる?

外壁のひび割れの原因は?補修せず放置したらどうなる?

外壁が経年劣化してくると塗料が剥がれきたり、クラックと呼ばれるひび割れが起こったりします。

このひび割れから構造部分に水が浸入してしまうと、建物の内部にまで影響がでてしまうので早急な対処が必要です。

そこで今回は、外壁にひび割れが起こる原因や、それらの現象を補修しないで放っておくとどのようなことになるのかについて解説していきます。

外壁にひび割れが入る原因

外壁のひび割れが起こる原因は、いくつかの要因が絡んでいますので、なぜ起こっているか見極めることが大切です。

外部の乾燥によるひび割れ

建物の外壁はモルタルやサイディング、タイルや板張りなど様々な種類があります。日本で今最も多く使用されている窯業系のサイディングは、タイル調や木目調などバリエーションが豊富なうえ、コストパフォーマンスに優れているためとても人気があります。

窯業系サイディングは吸水性が高い性質がありますので、表面に塗料を施し防水機能を高めています。

しかし年数が経ってくると、塗膜が剥がれ防水機能が低下しサイディング自体が水を含んでしまいます。そして乾燥と吸水で収縮、膨張を繰り返します。それが度重なるとひび割れを起こしてしまうのです。

モルタル仕上げの外壁の場合も、経年劣化による表面塗料の乾燥でひび割れが起こります。サイディングもモルタルも表面のひび割れの巾と深さがポイントで、巾が0.2mm以下だったり、ひび割れが浅いようでしたらすぐに内部の構造躯体にまで水が浸入することはありません。

しかし放置しておくと、ひび割れがどんどん広がり、水の浸入の恐れもありますので放置をすることはとても危険です。

タイルの外壁の場合、タイルがひび割れてきたり、剥離が起こり浮いてくる現象があります。タイルの施工はモルタルの上にタイルを貼っていく湿式と、タイル下地にひっかけがあるベースサイディングを施工し、そこにタイルを掛けていく乾式という方法があります。

タイル外壁は劣化がしにくいと言われがちですが、やはり太陽の熱と寒さで収縮、膨張を繰り返しますので、タイル本体も劣化はしていきます。

構造躯体からのひび割れ

建物は年数が経ってくると柱が傾いてきたり、骨組みが歪んでくることがあります。特に耐震基準を満たしていない建物だったり、地盤改良を行っていない土地だったりすると構造躯体そのものが歪むという現象が起こります。

構造躯体の歪みが原因で外壁にひび割れが起こってきた場合、そのひび割れは構造躯体まで達している場合があります。3mm以上の巾でひび割れが起こっているのなら、構造躯体の歪みが考えられますので、雨水が内部にまで侵入している恐れがあります。

開口部まわりのひび割れ

窓や玄関ドアなどの開口部の隅からひび割れが斜めに入っていることがあります。これは建物の自重や地震の揺れなどで開口部に歪みが生じ、ひび割れが起こっている可能性があります。開口部まわりのひび割れは雨が吹き降ったときなど、室内に雨漏れが起こりやすくなります。

窓の上に庇(ひさし)があれば、雨水の浸入は抑えられますが、昨今の家は庇をつけない窓も多いので、窓まわりに錆びのような色で水の垂れたあとがある場合は、ひび割れを起こしているケースが考えられるでしょう。

放置した場合のリスク

ひび割れを放置した場合どのようなことが起こるのでしょうか。リスクを知ることで、適切なメンテナンスをすることができます。

コーキングを放置した場合

外壁のひび割れの中でも、まず最初に劣化してくるのがサイディングのボードとボードの隙間を埋めている目地のコーキングです。このコーキングも防水効果が薄れてくると乾燥でひび割れを起こしてしまいます。

外壁自体はまだまだ大丈夫でも、コーキングがひび割れを起こし、それを放置してしまうと、目地の部分から内部に雨水が浸入し、酷くなると部屋内まで水染みがでてきてしまいます。

またサッシまわりのコーキングも年数が経ってくると劣化現象でひび割れが起こりますので同様に注意が必要です。

サイディングを放置した場合

サイディングがひび割れを起こしているのに補修をしないで放置した場合、ひび割れがどんどん酷くなり、サイディング自体を取り替えなければならなくなります。補修の際に同じ色柄のサイディングがあるとは限りませんので、早めの対処が必要です。

また、ひび割れを放置することで、雨水がサイディングの下地まで染み込み、酷い場合は部屋内部への雨漏れを引き起こします。内部にまで水がこなくても、ひび割れを起こしている箇所の水の浸入を防ぐことはできませんので、下地材が湿気を帯び、カビや腐食の原因になったりします。

サイディングの下地が湿気を帯びていると、部屋内のクロスが波打ってきたり、剥がれてきたりして補修の範囲がどんどん広がることに繋がります。

モルタルのひび割れを放置した場合

モルタル仕上げの場合は下地にラスという金網のようなものがあります。構造躯体によるひび割れではなく、モルタル表面のひび割れであってもそれを放置していると下地のラスにまで水が浸入し、酸化現象が起こりモルタルの接着が悪くなり、ポロポロと外壁のモルタルが落ちたりします。

そのような場合にまでなってしまうと、補修をするのも費用がかさんでしまいますので、ひび割れを見つけたら、放置をせずに専門業者に相談をしましょう。

雨漏りの侵入箇所を見つけるのは困難

家の中に雨漏れが起こった場合、実は水の浸入箇所を特定するのは難しいのです。水は少しずつ浸入し、柱や梁などを伝い思わぬ場所に落ちてくる場合もあります。部屋の中で天井に雨漏れがあっても真上や、すぐそばの外壁からとは限りません。

天井裏や壁の中すべてをチェックして、どこから水が来ているのかを確認することはできませんので、外壁部分に少しでも気になる箇所があれば、雨漏れが起こる前に専門家に依頼をして点検をしてもらいましょう。

まとめ

外壁にひび割れが起こり、それを放置してしまうとひび割れはどんどん酷くなり、内部にまで影響がでてしまいます。大雨が降った時など水の浸入が激しくなり、いずれは内部にまで染みわたってくるでしょう。

外壁を触って手が白くなるようなチョーキング現象や、巾の広いひび割れを見つけた場合は放置をしないで専門家に相談をしましょう。見積もりや点検は無料で行ってくれる場合が多いでの、そういった業者に依頼をし、確認をしてもらうことが大切です。

インスペクターと言って、家の劣化状況を診断する建築士もいますので、5年や10年といった節目に家の状況を診断してもらい、適切なメンテンスをすることが家を長持ちさせる秘訣です。