リフォーム完成後の竣工検査のチェックポイント

リフォーム完成後の竣工検査のチェックポイント

新しい雰囲気へと変わるリフォームは、工事が完了すれば一見良さそうに見えるもの。しかし、何らかの不具合が発生していることもあるため、引き渡し前には細かいところまでしっかりチェックすることが大事です。それが引き渡し前の竣工検査です。

工事完了した後に行う「竣工(しゅんこう)検査」の内容やチェックポイント、不具合が見つかったときの注意点などについてまとめてみました。

竣工検査とは

リフォームの完成後、工事がきちんと行われたかを、施工会社の担当者と施主が一緒にチェックしていくのが「竣工検査」です。

リフォーム箇所は新しい見た目のため、不具合などなさそうにも見えるかもしれませんが注意が必要です。「プロに任せたのだから大丈夫だろう」と任せっきりにすると、後から思わぬトラブルになることもあります。

また、引き渡し後に何か不具合が見つかっても、責任の所在が曖昧になる可能性もあります。それを防ぐためにもリフォーム完了時にはひとつひとつしっかりチェックすることが大事です。

竣工検査のチェックポイント

竣工検査でチェックしたい具体的なポイントについて解説します。

内装の剥がれや傷のチェック

壁や天井のクロスは、剥がれている部分がないか十分チェックしてみましょう。

一見、綺麗に張られている感じがしても、よく見るとたるみや剥がれ、傷が見えることもあります。また、床は歩いたときにミシミシときしみがないかどうかを確認してみましょう。

スイッチやコンセント、照明の確認

スイッチやコンセントは、図面通りの位置に取り付けられているか、数に間違いがないかをチェックしましょう。実際に電気がつくかどうかも確認します。

設備機器は動作確認をする

水回りは、住まいのなかでも毎日使う大事な場所です。キッチンや浴室などの水回りをリフォームしたときには、竣工検査で動作確認をしましょう。蛇口から水が出るか、そして排水状況も実際に水を出してしっかりチェックしてください。

また、給湯器などはパネルを操作して、実際の作動状態も確認しましょう。設備機器は、取扱い説明書や保証書を忘れずに受け取りましょう。

建具は開閉具合を確認する

ドアや収納は、実際に扉の開け閉めをして確認してみてください。開閉の際に、扉がきつくなっていたり、音が鳴っていたりなど、スムーズに動くかどうかは要チェックです。

また、図面通りの位置に設置されていることはもちろん、扉の方向に違いがないかも確認しましょう。

外回りもチェックしよう

外装のリフォームでは、外壁材のひび割れや浮きをチェックしてください。サイディングの場合、繋ぎ目の目地部分のコーキングが不十分だと、次第に雨漏りの原因となってきます。

雨漏りは家の耐久年数を劣らせる原因にもなりかねません。塗装の場合は、色ムラがないかも確認しましょう。

竣工検査の時に注意したいこと

契約通りのリフォーム内容になっているかの確認が大事です。設備機器や壁紙などは、型番や色、デザインなどが違っていないか、契約書や図面を見ながらチェックしていきましょう。

また、竣工検査は引き渡し前の最終チェックなので時間をかけたいところです。できれば、明るい光が差し込む日中の時間帯に設定してもらうようにしましょう。

夕方にかけてチェックをすると、時間を気にして十分にチェックできないこともあります。竣工検査に立ち会う人数もできれば一人ではなく複数人いるのが理想的です。自分一人では見逃すような問題点も、家族全員が揃っていることで見つかりやすいこともあります。

あまりに細かくチェックをすると、時間がいくらあっても足りないかもしれません。竣工検査では、小さな傷を発見することよりも、契約時の図面通りに施工されているか、設備機器が正常に作動するかなどに重点をおいてチェックするといいでしょう。

少しでも気になる点があったら、遠慮せずにリフォーム会社の担当者にどんどん質問してみる姿勢も大事です。

リフォーム瑕疵保険について

竣工検査はなんだか難しそう…という人のために、本人ではなく第三者が検査してくれる「リフォーム瑕疵保険」というものもあります。

リフォーム瑕疵保険とは

住まいのリフォームにおける「瑕疵」とは、欠陥や不具合という意味です。

せっかくリフォームしたのに、後から不具合が見つかったためにリフォーム会社とトラブルになるという事例もあるものです。竣工検査で見つけることができればすぐに対応してもらえますが、入居後に欠陥を指摘しても責任の所在が分かりにくくトラブルとなる可能性もあります。

そんなリフォーム工事のトラブルを安心に繋げるのが、リフォーム瑕疵保険です。この保険に加入しておけば、工事中や工事完了後にも保証の対象になります。リフォーム瑕疵保険に入っておけば、建築士の資格を持つ専門家が検査をするので、より念入りな検査をしてもらえます。

ただ、すべてのリフォームで必ず加入されるものではなく、これは任意の保険になります。リフォーム会社は、施主の希望によって保険加入することになります。

それに、どのリフォーム会社でも、このリフォーム瑕疵保険に加入できるわけではありません。リフォーム瑕疵保険の加入を考えている場合には、施工業者が瑕疵保険を利用できるかどうかは事前に聞いておきましょう。

リフォーム瑕疵保険のメリット

専門家にプロの目線で検査してもらえることが最大のメリットです。公平な立場にある第三者がプロの目線でチェックするので、安心感がかなり強まります。施主だけでは見つかりにくい不具合も発見できるでしょう。

工事中の検査で、専門家の指摘が入るため、リフォーム工事が質の高いものになります。また、リフォーム瑕疵保険による検査で不具合が見つかれば、保険会社から修繕費用がまかなわれます。

施工したリフォーム会社が倒産してしまったときにも、この保険に加入していれば補修費用が支払われるメリットがあります。

リフォーム瑕疵保険のデメリット

リフォーム工事の費用によって異なりますが、工事費用にプラスして保険料の支払いが発生するのがデメリットです。

また、工事内容によって定められている保証期間が違い、保証期間を過ぎると保証の対象外になってしまうのため注意が必要です。対象期間や工事内容については、事前にしっかり説明を受けておくことが重要です。

大がかりなリフォームでは、工事内容のトラブルが起こる可能性も高くなるため、リフォーム費用が高額になる人は検討してもいいかもしれませんね。

不具合があった場合の対応方法

リフォームの不具合があったときには、早急に修繕してもらうことが大事ですが、引き渡し前の竣工検査で見つかった場合と入居後に見つかった場合とでは、対応方法が違ってきます。

竣工検査での不具合

竣工検査をしているときに不具合があれば、早速手直しをしてもらうようにすべきです。

引き渡しが完了するまでは不具合を修繕する対応をしてもらい、その後きちんと補修工事が終わったことを確認したうえで、工事完了確認の書類にサインをした方がいいでしょう。

入居後の不具合

竣工検査でしっかりと確認したつもりでも、実際に入居してから不具合として発覚することもあります。

設備機器や電化製品などは、保証書を発行してもらうことで保証を受けることができます。入居後に不具合が見つかったときのために、万が一のときの連絡先や保証内容について確認しておくといいでしょう。

竣工検査で発見できなかった小さい傷や汚れなどは、入居する前からあったものかどうかの判断がつきにくいものです。そのため、無償で対応してくれることはほぼなく、これがトラブルのもとになってしまいます。竣工検査ではできるだけ広い範囲を見渡しチェックするようにしましょう。

まとめ

リフォームが完成し、引き渡し間近になるとワクワク感が増してくるものですが、その気分のまま竣工検査をすると、重大な欠陥を見落としてしまう確率が高くなります。

竣工検査は、リフォームが契約通り行われたかを確認する最終的なチェックの機会です。気になる点があったらどんどん担当者に申し出て不安を解消しましょう。

もし不具合があったのなら、引き渡し前にしっかりと補修してもらうことが、トラブルを防ぎ、快適な暮らしを送るための大切なポイントです。