倉庫をリノベーション(コンバージョン)する際の費用相場

コンバージョンという言葉はご存知でしょうか。建物の用途変更を施し、再利用するという方法です。

最近では、使われなくなった倉庫をリノベーションし、カフェやオフィス、住宅にコンバージョンをして利用するケースが増えてきています。

ここではコンバージョンの費用相場や、メリットデメリットについて解説します。

倉庫のリノベーションやコンバージョンについて

使われなくなった倉庫を購入または賃貸契約を結び、リノベーションやコンバージョンをして新たな価値を見出し再利用するという動きは都会のみならず地方でもブームになっています。

海沿いにある船を預かるマリーナだった船倉庫や造船所をカフェにしたり、メリヤス工場だった建物をリノベーションしてオシャレな飲食店にしたり、農機具を納めていた倉庫を雑貨店やセレクトショップにしたり、アイデアしだいで倉庫の雰囲気を最大限利用しオシャレな空間にリノベーションをすることができます。

店舗やオフィスにするだけでなく、その佇まいを気に入り住居にする人も増えているほどです。倉庫をリノベーションやコンバージョンを考え始めたら、メリットだけではなくデメリットについてもよく知った上で検討をしていきましょう。

メリットとデメリット

倉庫をリノベーションまたはコンバージョンをするメリットは様々ありますが、何といっても低コストでできることでしょう。

倉庫はもともと大きなものを格納したり、大きな機械を使って何かを製造したりするために建てられている場合が多いので必要最低限の壁しかなく開放的でスケルトン状態のものも多いので、構造躯体を利用してリノベーションをするとき既存部分の解体費用が抑えられます。

また費用面だけでなく、天井がとても高いケースが多いのでデザインやレイアウトもしやすく、天井高を上手に利用すれば開放的でオシャレな空間を作り出すことができます。

家をリノベーションするような場合は木造建てが多く構造上の問題で柱と柱の間の寸法が限られていますので、広いスペースを作りだすことが難しい場合がありますが、倉庫の場合は鉄骨造が多いので、柱が少ない特性を生かし広々とした空間を確保することができます。

最大のデメリットは住宅用ではないこと

しかしその反面、デメリットがあることも事実です。もともと倉庫は住居を目的としていないため水道やガスの配管がない場合が多く見受けられます。

飲食店にするにしても住居やオフィスにするにしても電気、ガス、水道といったインフラは必要です。電気は引き込んでいる倉庫は多いでしょうからリノベーションするときは中の配線工事だけで済みますが水道やガスといった配管がない場合はトイレの下水や浄化槽なども含め引き込みやつなぎこみの費用が一からかかるケースがあります。

また家などの建物も同じですが倉庫にも耐震性能がありますので、1981年以降の新耐震基準で建てられていない倉庫は耐震工事が必要な場合があります。また特に注意したいのが倉庫の屋根材についてです。

一般的に倉庫の屋根材に使われるのは下地なしで施工できる波スレートや金属の折半屋根です。古い建物のスレート材にはアスベストが含まれていますので、リノベーションをするときアスベストの撤去や飛散防止に多額の費用がかかる場合があります。

軽量の金属屋根を重ね葺きすることもできますがアスベストが含まれている材料があることを理解し利用しなければなりません。

倉庫などによく使用されている波スレートの屋根は通常の住宅と違い屋根材の下地がありませんので、太陽熱がダイレクトに建物内に伝わるため夏はとても暑く、冬は寒いです。

天井が高いということと屋根や壁に断熱機能がほとんどないため空調が効きにくく工夫が必要です。倉庫をリノベーション、コンバージョンする場合は断熱性能や気密性をあげることが重要になってきます。

リノベーションやコンバージョン事例と費用相場

倉庫をリノベーションやコンバージョンを施して再利用するケースはどういった事例があるのでしょうか。さまざまな事例とともに費用相場についても知っておきましょう。

オフィスにするケース

大きな倉庫を利用してオフィスにする場合、よく見られるのが倉庫兼、オフィスといった使い方です。業種によっては物を置くスペースが必要なためオフィスとは別の場所に倉庫を借りたりして物品の管理を行っていることがあります。

オフィスと倉庫が同じ場所になれば便利なうえ管理コストも抑えられるため有効活用できるでしょう。ただやはり大空間になればなるほど空調の問題が深刻ですからそういった場合は倉庫内に箱のようなスペースを設けその部分のみ空調を効かせるといった方法を取る場合が多いようです。

オフィス部分を箱型にして壁を作る場合ガラス張りにするなどして、デザインも機能も兼ね備えたオフィスを作ることができます。

倉庫をオフィスにする場合は住宅と違い本格的なキッチンや浴室は必要ありませんので、その部分の工事費用は抑えられるでしょう。しかし照明やコンセントが多数いる場合がありますので電気工事費はかさむかもしれません。大規模なオフィスになるとトイレも複数いりますので給排水の工事にも費用がかかることを頭に入れておきましょう。

店舗にするケース

倉庫をリノベーションやコンバージョンして店舗にするケースが最も多いのではないでしょうか。カフェやレストラン、雑貨店やセレクトショップなど多種多様な店舗ができるでしょう。もともと酒蔵だった建物を使って飲食店にしているケースは酒蔵のもつ雰囲気を残しつつ、レトロな外観とオシャレな内装のデザインのギャップが楽しめるでしょう。

家具や大型のインテリア商品を扱うお店は倉庫のコンバージョン利用がとても向いています。空間を最大限に生かし陳列やレイアウトができますし、在庫をストックするための場所も確保ができます。カフェ併設もよく見られます。あえて照明や空調の配管をむき出しにすることでオシャレな雰囲気を作り出すことができるでしょう。

住居にするケース

趣味がキャンプやサーフィンなどのアウトドアだったり、車やバイクが好きでインナーガレージが憧れのかたには倉庫をリノベーションした住居が人気です。

アウトドアが趣味な人は道具などの持ち物の保管場所に困ることがありますので、倉庫のような広々とした空間があれば見せる収納でオシャレに道具を保管することができます。道具のメンテナンス用の作業スペースを確保することも可能でしょう。薪ストーブや暖炉を使ってお店のようなハイセンスな内装を楽しむ方も多いのではないでしょうか。

また家の中にいながら趣味のバイクや車を眺めたい人にも手軽にインナーガレージのようにできる倉庫のリノベーションは向いていると言えるでしょう。

倉庫をリノベーション、コンバージョンする際の費用相場

スケルトン状態からのリノベーションの費用は一般的に500万円~1,500万円ぐらいでしょう。もちろん面積や工事工程にもよりますが、最低限の内装工事と断熱工事のみの場合は500万円までで出来る場合もあるでしょう。

特に住居の場合は長く住むことが考えられるのでイニシャルコストとランニングコストのバランスをよく考えることが大切です。凝ったデザインや特殊な材料を使ったリノベーションでは2000万円を超えることもあるでしょう。見積もりやプランは何社かに依頼し費用と相談しつつ総合的に考えたいものですね。

リノベーション(コンバージョン)する際の流れ

倉庫をリノベーションやコンバージョンする場合の基本的な流れを知ることで、効率的に工程を進めることができるようになるので、ここで簡単に流れを解説します。

まずは物件探しから

利用する目的によって予算はもちろん、倉庫の規模や立地条件などさまざまでしょう。まずは理想の完成系を考え仲介業者と相談し物件をさがしていきましょう。また希望の場所があるのであれば自分の足で探してみるのもいいでしょう。思わぬ掘り出し物に出会えるかもしれません。

用途変更手続き

物件が決まったら次は用途変更手続きです。(場合によっては物件を探しながら対象建物が用途変更可能かどうかの確認が必要な場合があります)

既存の建物を用途変更する行為は建築確認申請と同様の行為です。使用目的によっては消防や保健所、所轄の行政で確認が必要ですので物件を探しながらその建物の用途変更が現実的にできるのか仲介業者に相談しておくといいでしょう。

いよいよリノベーション

用途変更可能な物件の確保ができたらリノベーション業者の決定です。何社かにプランや見積もりを依頼しデザイン性、費用、担当者との相性など総合的に判断し決定したいものです。

倉庫のリノベーションやコンバージョンが得意な会社は事例もたくさん持っていますので、過去の実績を踏まえて検討しましょう。業者選びは理想のリノベーションをするためにとても重要です。

倉庫のリノベーション、コンバージョンは空き物件や既存住宅を利用してほしい国の政策にもマッチしています。自治体によっては補助金や助成金がある場合もありますので、下調べをじっくり行い目的と理想を叶える倉庫活用ができるようにしたいものですね。

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